小中一貫校の制度化を検討 メリット デメリット

文部科学省が、小中一貫校の制度化を検討しているようです。


 下村博文文部科学相は3日の閣議後記者会見で、公立の「小中一貫校」を設置できる制度を導入する方向で文科省が検討に入ったことを明らかにした。実現すれば9年間の義務教育期間の課程を現行の「6・3」制だけでなく、地域の実情に応じて「5・4」「4・3・2」など弾力的に編成することが可能となる。政府の教育再生実行会議の提言にも盛り込まれる見通しで、同省は早ければ来年の通常国会への学校教育法改正案提出を目指す。

出典:時事ドットコム:小中一貫校の制度化検討=「5・4」制など可能に-下村文科相


 6・3制の場合、小学校から中学校に進学した際に学校生活の変化に適応できず、不登校が増える「中1の壁」が課題になっているほか、最近は小学生の心身の発達が、6・3制を導入した1947年に比べて2年ほど早まっているともいわれ、自民党の教育再生実行本部などから「6・3」の区切りの弾力化を求める声が強まっていた。

出典:<学制改革>小中一貫校を制度化 自治体に権限…文科省検討 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

そこで、今回の制度が導入されることのメリット、デメリットをまとめてみました。



<メリット>

現行の小学校6年、中学校3年の「6・3制」だけでなく、9年の義務教育期間を「4・3・2」や「5・4」と弾力的に運用し、地域の事情などに合わせた教育課程(カリキュラム)の編成が可能になる。

出典:<学制改革>小中一貫校を制度化 自治体に権限…文科省検討 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

9年制一貫の義務教育学校は、学びの連続性という点では確かに効果が上がるでしょう。小中の教員が同じ学校内にいるので、乗り入れ授業も容易に組めるようになりますし、小学校段階の学習履歴を踏まえての中学校の指導も可能になります。9年間を通した教育課程編成でカリキュラムの精選も図られ、小学校段階で習ったものは中学校では圧縮して重点的に教えることができます。
また、心理面でも、中学校に上がるときに感じる中学校教師や他校出身の同級生に対する不安などは解消されます。

出典:「小中接続をめぐる教育制度の行方とそれによる学びへの影響はどうなるのか ベネッセ教育総合研究所

 文科省は、小学校英語を小学5年生から正式教科にすることを検討しており、小中一貫教育によって系統性・連続性を重視した英語教育が可能になる。また、小学高学年段階から中学校のように教科担任制も導入しやすくなるなど効率的な教員配置ができるとされる。さらに、少子化に伴い学級数や児童生徒数の減少に直面する小中学校の統廃合も進むことが期待される。

出典:<学制改革>小中一貫校を制度化 自治体に権限…文科省検討 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

両先生によれば、最大で8年上の年長者と一緒に活動する機会があるためか、「被災地支援をやってみたい」など、大人顔負けの相談をしにくる小学生も増えてきているのだとか。こうした、小学生のうちから専門性の高い内容に関心を持てるようになったことも、「小中一貫教育」のメリットといえるだろう。

出典:「小中一貫教育」のねらいとは? メリット&デメリットをモデル校に聞いた | マイナビニュース




<デメリット>

デメリットとしては、通学区域拡大、施設の活用、進学の節目意識減少、小学校区の地域性 等が挙げられます。特に通学バスの運行方法、安全、費用については課題と考えます。

出典:「教育のまち池田」小中一貫教育に関する Q&A/池田市ホームページ

小学校では、5、6年生は高学年として小学校教育の完成を目指して指導します。低学年、中学年、高学年、あるいは1~3年、4~6年と分けて学校行事や委員会活動へ段階的に参加させていき、徐々に高学年にリーダーシップが育つことが期待されます。しかし、一貫校になると、5、6年生はあくまでも中間帯でしかなく、リードするのは中学生になってしまうので、高学年としての自覚が育ちにくくなるかもしれません。

出典:「小中接続をめぐる教育制度の行方とそれによる学びへの影響はどうなるのか ベネッセ教育総合研究所

一方で、小中一貫校と従来の小学校や中学校との間で転校した場合、学年やカリキュラムがずれて対応しにくい問題があるほか、9年間子供同士の人間関係が固定される課題もある。

出典:学制改革:小中一貫校を制度化 自治体に権限…文科省検討 – 毎日新聞

小中一貫にすることのメリットも大きいですが
やはりよいことばかりではないようですね。

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